今回はTop 10 Poker Handの中からKITAIと IVEY のハンドを解説していきたいと思います。
まずはKITAIのハンドからです。
ブラインドは80K/160K A20KのHUでのプレイになります。
CHENが
で360KにレイズインしてKITAIが
でブラインドを守ります。
フロップは
でポットは760K。KITAIのチェックに対してCHENが330KのCBをしてKITAIはコール。両者とも標準的なプレイかと思います。
ターンは でポットは1.42Mでチェックアラウンド。ターンのCHENのチェックはかなり弱く見えます。持っていたとしても7のペアぐらいかなと思います。
リバーは でポットは1.42Mのまま。
ここにKITAIがブラフで550Kのベットをします。1カードストレートのボードなのでストレート、もしくは2ペアのようなハンドを主張しているように見えます。
これに対してしっかりと時間を取ってCHENは1.565Mのブラフレイズをします。
このレイズに2ペアが含まれることはほとんどなく、Jハイストレート以上のハンドを主張しています。
つまり基本的にはストレートorナッシングということになり、CHENのハンドレンジはしっかりとポラライズされたことになります。
このレイズを受けて、ブラフでリバーベットしたはずのKITAIは熟考します。彼には未だ3つの選択肢があります。
一つ目はフォールド。これがほとんどのプレイヤーが選ぶ選択肢だと思います。
二つ目はレイズ。ストレート以上のハンドを主張してさらにレイズすることで、Aハイのブラフキャッチをした際に負けてしまうようなペア系のハンドをブラフに変えたハンドをフォールドさせてポットを取ることができるでしょう。ですがリスクが大きいオプションでもあります。
三つ目はコール。CHENのハンドレンジはしっかりとポラライズされている為、Aハイでのコールも有り得ます。ペア系のハンドをブラフに変えられていた場合は負けてしまうのが欠点ですが、レイズのように余分なチップを危険に晒すことは避けられます。
それぞれに長所短所はありますが、結果KITAIはコールを選び、見事ブラフキャッチに成功しました。
KITAIは後のインタビューでCHENのライブ特有のテルを見つけていたと話していたことから、これがもしオンライントーナメントだとしたらきっとコールはできていなかったのではないでしょうか。
ですがそのテルも含めて、素晴らしいリーディングだったことは間違いのないことです。
次は IVEY のハンドです。
ブラインドは12K/24K A4K。トーナメントのHUでのハンドです。
まずはJACKSONが
でリンプイン。それに IVEY が
で84Kにレイズし、JACKSONがそれをコール。
フロップは
でポットは176K。
IVEY が80KのCBをしてJACKSONはそれに対し170Kのレイズをします。ここでのポイントは、JACKSONがリンプインで参加しているという点です。
その点から彼にハイカードを含んだフラッシュドローは考えにくく、小さいフラッシュドローはコールする可能性が高い為、彼のレンジにフラッシュドローは少なくなると思います。そしておそらく7のペアもフロップでコールに留めると思います。そう考えると彼のレンジはJのトリプス以上のハンドorブラフの可能性が高くなります。
JACKSONのレイズに対し、IVYE は320Kの3ベットをします。
上記のようにJACKSONのレンジはかなりポラライズされていて、ブラフも多く含まれていることからこのようなレイズをしたのだと思います。このハンドはかなりレベルシンキングの要素が強くなっています。
そしてJACKSONは470Kの4ベットを決断します。これはミニマムレイズです。このレイズでJACKSONはスタックの半分以上ををポットに入れました。
これはもう完全にコミットしているように見えます。
ですが IVEY はただのQハイでオールインをしました。
これはもう数学的な部分を超えたものがあったのかも知れません。
ライブ特有のテルかも知れませんし、最後のJACKSONのレイズがミニレイズだったことも影響しているのかも知れません。IVEY の感覚がオールインを決断させたとしか言い様がないようなプレイです。
このメタゲームを制し大きなチップリードを得たIVEYがそのまま優勝を勝ち獲りました。
ACESUPが選んだTop 10 Poker Handはいかがでしたか?
自分は以前に全ての動画を見たことがあったのですが、しっかりと分析してみると今まで気が付かなかった部分も見えてきてとても興味深かったです。
おもしろいハンド、動画があればまた紹介したいと思います