今回はTop 10 Poker Handの中から DWAN とKITAIのハンドを解説していきたいと思います。
まずは DWAN とSAMMYのヘッズアップキャッシュゲームのハンドからです。
このゲームは特別なルールが設けられており、72でポットを獲得すると$10,000を相手からもらうことができます。このルールによりまた一味違ったゲームになっています。
ブラインドは$500/$1000で、まずは DWAN が
で$6,000にレイズします。6倍レイズでその場でポットをスティールしにいきますが、SAMMYが
でブラインドを守ります。
この時点で DWAN のハンドはかなりポラライズされていて、72orビッグハンドのような感じになっています。
そしてフロップは
でSAMMYのチェックに対して DWAN は$12,000のポットに$10,000のCBをしました。これに対してSAMMYはトップボトムの2ペアで$27,000にチェックレイズ。プリフロップはジャストコールだったので、66・A6・AJのようなハンドか、スーテッドコネクターでのフロップフラッシュもあるかも知れません。
それを DWAN はコールします。このコールのメインの理由はインポジションでのフロートです。後のストリートでのブラフを狙っているのだと思います。SAMMYはこのゲームでかなりオーバープレイをしており、チェックレイズも多かったことから、もしかしたらハートもアウツに入れているのかも知れません。
SAMMYから見ると DWAN のコールはかなり強く見え、ハートのあるAK・AQ・AT以上のハンドが容易に想定できると思います。
そしてターンは でポットは$66,000。ハートは出ませんでしたが上記のように DWAN のコールがかなり強く見えるのでポットコントロールをしたのだと思います。ここでのSAMMYのチェックはかなりハンドが透けてしまっています。セットやフラッシュが完成していたら続けてターンもベットするでしょうし、よくてAJかAQのハート一枚のようなハンドに見えてしまいます。それを見てDWANは$48,000のベット。フロップコールのメインの理由はフロートだったと思うので、チェックに対してのこのベットは予定通りといったところでしょう。そしてSAMMYはあまり間を置かずにコール。
リバーは でペアボードになりました。SAMMYのチェックに対して DWAN はポットの2倍程のオーバーベットオールインをしました。SAMMYのとったラインにより彼のハンドレンジはかなり透けていますが、 DWAN のラインはプリフロップからしっかりと強いハンドのストーリーができています。フルハウスもフラッシュも有り得ます。その中に72のブラフも入っていますが、コンビネーションを考えるとこのオールインをコールするのは至難の業でしょう。長考の末フォールドをしたSAMMYを待っていたのはビッグブラフを成功させたDWANの満足気な顔でした。
これをきっかけにチルトしてしまったSAMMYはさらに多くのチップを DWAN に献上することとなりました。
次はKITAIのハンドです。
これは2014年のWSOP$3,000イベントのファイナルテーブル3WAYでのハンドです。
ブラインドは25K/50K A5KでKITAIはボタンで
を持ちリンプします。3WAYでボタンリンプというプレイはかなり珍しいプレイだと思います。SBも参加して3人でフロップを見に行きます。
フロップは
でポットは165,000。SBがチェックして
を持つBBがフラッシュドローで95,000のベットをします。これに対してKITAIはガットショットとバックドアフラッシュドローでコールしてヘッズアップになります。
ターンは でボットは355,000。BBが続けて195,000のベットをします。
このハンドのポイントはリンプポットであるということです。プリフロップにレイズをしなかったBBのプレイヤーがこのボードでダブルバレルを打てるハンドはかなり限られます。小さいA2・A3・A4といったキッカーの小さなAか、JTの2ペアのようなハンドまで絞ることができると思います。ピュアブラフはほとんど考えられませんが、フラッシュドローのセミブラフのレンジはそれなりにあると思います。
それに対してターンでフラッシュドローもついたKITAIはコールします。
リバーは でポットは745,000。BBのプレイヤーは515,000の大きめなベットをします。
KITAIのレンジにはTもある為、先ほど言ったようなBBのレンジの中でこの大きなバリューベットを打てるレンジは順当に考えるとJTぐらいしか残りません。あとはKハイのフラッシュドローには負けていますが、それ以外のレンジにはQハイでも勝っているのでKITAIは時間をかけることなくコールしたのでしょう。
本当に素晴らしいハンドリーディングだと思います。
次回は最後に残った2つのハンドを解説したいと思います