今回は888ポーカースポンサードプロでもあり、PTJPコーチでもあるAkira” Clutch Hero ”Ohyamaのインタビューをお送りします!
Aki(以下A)「888ポーカーとのプロ契約おめでとうございます。今回の契約で日本人として3人目のオンラインスポンサードプロが誕生しました。このように着実に日本人のスポンサードプロが増えている現状をどう感じていますか?」
Akira” Clutch Hero ”Ohyama(以下O)「ありがとうございます!やはりポーカースターズや888ポーカー等の大手のオンラインポーカーサイトが日本のポーカー市場を好意的に捉えている証拠なので、日本のポーカーにとってはとても良い流れだと思います。」
A「それではオンラインとライブではどちらが好きですか?その理由も教えて下さい。」
O「僕はオンラインの方が好きですね。その理由は、オンラインの方が数をこなせるので実力があれば必ず結果が出るからですね。ライブの場合はどうしても分散が大きくなってしまって、運が悪ければ長期間に渡って結果が出ないことがあるからです。ですがライブトーナメントで一回大きなプライズを手にすることができれば、ライブの方が好きになるかもしれないですね(笑)」
A「確かに(笑)ライブトーナメントに参加するということは海外の色々な国に行けるので、客観的に見ているとすごく楽しそうだなと思うんですが、その点はどうですか?」
O「確かにそれは楽しいですね。オンラインではグラインドハウス(ポーカー仲間との共同生活)をする場合もありますが基本的に一人でプレイしてますし、時間帯も夜から朝にかけてになるのであまり人と関わる機会に恵まれません。ですがライブの場合は色々な人との出会いもあり、様々な人間関係も構築できるのと、先ほども言ったように海外の色々な場所へ行けるので、その国の食事や文化に触れることができます。その点はライブポーカーの魅力だと思いますね。」
A「聞いてるだけでも楽しそうなのが伝わってきます。 Clutch Hero は今まで行った国の中で日本以外で一番好きな国はどこですか?」
O「食べ物は確実に韓国ですね。オーストラリアはビーチが魅力的ですし、フィリピンのセブ島のビーチも綺麗ですね。泳ぐのが好きなので、セブ島で開催されたAPPTの時だけはメインイベントで負けてもそのビーチのおかげでそれほど落ち込まなかったですね(笑)」
A「僕も韓国の食事は本当においしいと思いますね。今回のAPPTの期間中に屋台を含め色々なところで食事をしましたが、どこも味・量ともに満足することができました。
それでは次にオンラインをプレイする際のセッティングについて聞かせて下さい。」
O「テーブルはタイルテーブルでプレイしています。3年位前までは大きなディスプレイで24面までプレイしていましたが、最近は9~12面でプレイしていますね。これはより深いレベルでのプレイに時間がかかるようになったのと、判断速度が低下したのと二つの理由によるものです。」
A「もちろん Clutch Hero はトップレベルのMTTプレイヤーなんですが、今でも自分が成長を続けているという実感はありますか?」
O「そうですね、1年位前までは3ヶ月おきくらいに自分の成長を感じていましたが、ここ1年位は自分のスキルレベルが落ちたと感じています。ポーカーのスキルというものは、ある程度のレベルまでいくとそこからの成長速度は遅くなります。そのある程度のレベルで少し満足してしまったこともあり、ここ1年位は勉強不足でした。」
A「オンラインポーカーの普及もあり、テキサスホールデムポーカーというのはほぼ研究され尽くしていると私は感じていますが、まだ研究する余地、新たな戦術が生まれる可能性はあるんでしょうか?」
O「その可能性はまだあると思います。」
A「オールドスクールの時代を経て、その後ルースアグレッシブが賞賛された時代があり、そして今はそのルースアグレッシブに対応する為にSnowieに見られるようなパッシブな戦略がトレンドになってきているように感じます。それは単純にトレンドが繰り返されているわけではなく、より優れた戦術が生み出されていると考えていいのでしょうか?」
O「そうだと思います。プロプレイヤーの中のトップの10%ぐらいのプレイヤーが自分達で新たな戦略を考え出します。そして残りの90%のプレイヤーはそれを見て学んでついて行くといった感じだと思います。トップの10%のプレイヤーが現在の戦略を元に新たな戦略を生み出し、そしてそれに付随する20~30%のプレイヤーはその新たな戦略に気が付くのが早いんです。それがそれらのプレイヤーのスキルなんです。そして残りのプレイヤーがそれについて行きます。これらはオンラインで見て取れます。トレンドはオンラインで作り出されてると思います。このような変化に対応する為に、相手のHUDのデータは1年おきぐらいに消して、より新しい情報で戦うようにしています。」
A「 Clutch Hero はオンラインとライブのそれぞれのバンクロールマネジメントについてどう考えていますか?」
O「そうですね、オンライントーナメントの場合はアベレージステークスの300倍くらいのバンクロールを目安にしていて、それが200倍まで落ちたらステークスを下げる感じですね。ステークスを上げる際は、上のステークスでの300倍のバンクロールが貯まったら上げる感じです。ライブトーナメントの場合はバイイン額が大きいので難しいですね。ライブトーナメントだけをプロとしてプレイするとしたらかなり大きなバンクロールが必要になると思います。」
A「それでは次に分散との向き合い方について聞かせて下さい。具体的にはMTTという分散の大きいゲームでのメンタル面のケアや、ダウンスウィング中もAゲームを続ける為のコツ等について教えて下さい。」
O「ちょうど去年の9月から11月の後半までダウンスウィングがあって、毎日プレイして毎日負けてました。その時は本当に勝てないのかなと不安な気持ちになることもありました。そしてその頃にPhil Galfondのインタビューを見たんですけど、彼ほどのトッププレイヤーでも自分と同じようにダウンスウィングを経験し、自分と同じような気持ちになっていることを知り、これは誰でも感じることなんだと思いました。過去に勝っていた経験と自分の実力を信じてプレイし続けるしかないんだなと思いました。」
A「次に Clutch Hero のチルトコントロールについて聞かせて下さい。」
O「今ではチルトしなくなりましたが、以前はしていまいた。それを改善する為に自分なりに色々調べました。そこで得た知識なんですが、ポーカーをプレイすると誰でもAゲームからFゲームまでをする可能性があります。Aゲームが一番いいプレイをできているということで、Fゲームはその逆です。チルトすることによって誰もがFゲームに近付いてしまうわけです。チルトコントロールというのは、自分がチルトしててもBゲームくらい、つまり80%ぐらいのパフォーマンスを維持するということです。本来はチルトしたと思ったらすぐにプレイを止めることが一番いい方法なんですが、MTTの場合はすぐに止めることはできないので、新たにレジストすることは止めて残りのゲームをとにかく自分のベストなプレイができるように集中することです。そのように練習を続けた結果、今はチルトしたとしてもBゲームくらいは維持できるようになりました。
そしてMTTというのは優勝した時の喜びがとても大きく、その反面負けた時の悔しさも大きいです。ですので僕は優勝した時はあまり喜ばないようにしています。そうすることで負けた時の悔しさも半減するんです。これは自分なりの工夫ですが、それぞれに合った方法があるはずなので探してみるのもいいと思います。」
A「それではPTJPコーチとしてトレーニングビデオを作る際に気を付けていること、そしてこれからどんなビデオを作っていきたいかについて教えて下さい。」
O「PTJPのトレーニングビデオでは初級・中級・上級と3つのレベルのビデオを毎月アップロードしているんですが、それぞれのレベルに合わせたビデオを作るというのが難しく、いつもそこに気を付けています。僕はパワーポイントを使ったプレゼンテーション形式のビデオを作るのが得意なんですが、一番作っていきたいビデオはユーザーの皆さんが見たいと思うビデオなんです。ですのでどんなビデオを作って欲しいかというリクエストをコメント等でしてもらえると嬉しいですね。」
A「そうですね。そういう意見がすごく参考になりますよね。トレーニングビデオを見るというのも1つの有力な勉強方法だと思うんですが、クラッチさんはいつもどのようにポーカーを勉強しているんですか?」
O「僕は自分のハンドレビューを中心に勉強しています。過去のハンドを数学的に分析して、それを繰り返すことで同じようなシチュエーションが来た時に対応できるようにします。基本的に自分より強いプレイヤーのハンドを分析したりはしないですね。」
A「次に Clutch Hero の今後の予定について教えて下さい。」
O「これからは日本でオンラインポーカーを中心にプレイするつもりです。ライブポーカーは5月下旬のAPPTマカオになると思います。その後のWSOP期間中は有名プレイヤーがWSOPに参加する関係上オンラインポーカーがソフトになるので、その期間中はオンラインポーカーに集中するつもりです。そしてWSOPメインイベントには予定が合えば参加したいと思っています。」
A「それでは最後に今後の目標について教えて下さい。」
O「最近はポーカーの勉強をあまりしていなかったので、たくさん勉強して世界のトッププレイヤーになれるように頑張りたいと思います。」
A「日本人1人目の888ポーカースポンサードプロとして、今後の活躍を期待してます!」
O「ありがとうございます!頑張ります!」
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