Poker Stars Team Online 木原 ”nkeyno” 直哉さんにインタビュー!!

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日本で Poker をプレイしている人なら知らない人はいない
ましてや PTJP のブログを読んでいる人なら当然知っている
TVなどのメディアにも精力的に露出して日本の Poker への印象をより良いものに
Poker という頭脳スポーツを普及させるために尽力している日本を代表するプレイヤー
日本初の Poker Stars スポンサードプロの木原直哉さんにインタビューです!

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APPTソウルにて

T:Tomo K:木原さん

T: Poker 初心者の方も読むと思うので改めて経歴から紹介させていただきます。
“出身地” 北海道名寄市
“年齢” 33歳
“出身大学” 東京大学
“ Poker との出会い”
塾講師アルバイトの傍らバックギャモンをプレイしていた。ある日友人から Everest Poker を紹介されて Poker と出会う。1年~2年くらいはバックギャモンをメインでプレイしていたが、だんだんと Poker への比重が大きくなっていった。塾を辞めたのは Poker を始めて1年後くらい。 Poker を始める前はバックギャモンで年間2万ドル程利益をあげていたが、 Poker があまりに面白いので次第に Poker へと移行していく。とは言ってもバックギャモンを引退したというわけではなく、今でもプレイはするし時間が合えば久しぶりに大会に出たいとも思考中。

T:僕個人の聞きたいことなんですけど、他のギャンブルの経験は何かありますか?
K:そもそも私は麻雀などをギャンブルだとは思っていません。なのでゲームとしてのお話をさせてもらうと、将棋・囲碁・それから先ほど挙げた麻雀などは好んでよくします。休日にフリー雀荘に行くこともあります。

T:全般的に頭脳ゲームが得意ということなんですね!それでは、いわゆる公営ギャンブルの経験はどうですか?
K:公営ギャンブルはほとんどやったことがありません。競馬も競輪もパチンコもパチスロも。でもパチスロには3千円だけ使ったことがあります。3千円だけ。
K:Poker もそうですが、私はゲームとして面白いものが好きなんです。 Poker をしているときもギャンブルというイメージではなく、ゲームをしていてそれにお金を投資しているという感覚でしょうか。今はプロなのでお金を稼ぐことも大事ですが、お金のためというより今でも楽しいから Poker をしているんです。

T:これだけ長く Poker をされているのにまだ面白いんですか!?
K:はい!おもしろいですよ!面白いから基本的に毎日プレイしますし、長時間プレイしていても苦になりません。

T:それでもティルトする場面もあると思うんですがそんな時はどうやって切り替えますか?
K:私は基本的にティルトはしません。確率上いくら少ないにしても相手にも勝つ可能性が残っているのだから引かれてしまえば負けるのは当然です。逆に自分が低い確率で勝つこともあるのだからバットビートで負けたとしてもあまり気になりません。
K:そもそもどういう時に人はティルトしやすいのかわかりますか?

T:どんなとき……教えてください!(笑)
K:それは「相手のミスプレイが正当化されたとき」です。例えば相手に勝率に見あわないコールをさせることに成功したのに相手のドローが落ちた時などです。
T:確かに!プリフロップで4BetKKに対してAAで5Betオールインしたときにコールしてもらえた時にストレートで負けたときはティルトしてしまいました!”なんでやねん”ってマウス投げましたよ 笑

K:それでもそれがフリーロールのトーナメントだったりしたらそのティルトも「まあいっか」となると思うんですよ。つまり自分の身の丈にあったバイインのトーナメントに出るなどレートにも気をつける必要がありますね。
T:なるほど。。。僕はすぐにティルトしてしまうのでバイイン額などを見直してみます。

T:先ほど毎日プレイしているとおっしゃっていましたが大体1日何時間くらい Poker をプレイされるんですか?
K:何時間と決めているわけではないですが、平日でも8時間位はしていると思います。週末の日曜なんかになると出るトーナメントも多くなるのでもっと長い時間プレイしているとは思います。

T:願掛けのように勝負の時に決まってすることは何かありますか?
K:特別何かするということはないですね。
K:でも体調管理に気をつけます。水分はしっかり取るとか、エアコンで室温を調整するなど。基本ではありますがコンディションを整えることが一番大切だと思います。因みに理想の睡眠時間は8時間です。それでもCOOPなどのイベントの最中だと生活リズムがバラバラなり睡眠時間がうまく取れないときもあります。こればかりは職業柄仕方のないことですね。より体調管理に気を付けて過ごすようにしています。食事などで協力してくれる奥さんには感謝です。

T:木原さんは海外での Live Poker イベントにも多数参加されていますが、Live Poker と Online Poker の違いを教えて下さい。
K:一言で言うと Live はぬるいです。
K:Online の方が圧倒的にレベルが高いですね。私も少し集中を切らすと Online ではあっという間に負けてしまうことがあります。

木原さんブレスレット

日本人初のブレスレット獲得者となった木原さん

T:それではキャッシュゲームとトーナメント違いについても教えて下さい。
K:これはよく聞かれることなんですが、みんなが思っているほどキャッシュとトーナメントに違いはありません。スタックのサイズが違ってアンティがあるかの違いくらいしかありません。後者ではバブルファクターがあるので、中盤以降ではプレイの仕方が多少変わります。そんな感じの違いしかないです。
T:良い手を待ってプレイするとかブラインドスティールをするとかスタックサイズなどの状況によって作戦が変わる様なものなんですね。

T:次に今年の目標を教えて下さい。
K:今年と限定すると難しいのですが、数年後に世界のトッププレイヤーの1人になることを目指しています。
T:世界のトッププレイヤーの1人…ですか?

K:例えば、野球で歴代の強打者トップ10を挙げてみて下さい。
T:王さんとかイチローとか張本さんとか落合さんとか…ですかね?
K:今挙げられたように色々な選手の名前が出てくるとは思うんですが、やっぱり王さんやイチロー選手は絶対出てくると思うんですよ。こんな風に誰の口からも世界中で強い Poker プレイヤーとして名前が上がるのを目指していますし、なれるとも思っています。特にプロのプレイヤー達から名を挙げてもらえると嬉しいですね。
K:それでもホールデムに絞ってだとやっぱり難しいと思うんです。ホールデムが強いプレイヤーは世界中に沢山いますから。なので色々なゲームをプレイするMIXゲームでの強いプレイヤーを目指しています。将棋、囲碁、麻雀などの頭脳ゲーム全般が得意というのとも関連していると思うんですが、 Poker 全般のゲームを穴がなくプレイする方が1つのゲームを極めるより向いていると思うので。

T:次にこれから強くなりたいという初心者にアドバイスをお願いします。
K:より多くのハンド数をこなして下さい。私は上達する一番の方法は多くのハンドをプレイして、多くの経験を積むことだと思います。特に漫然と数をこなすのではなく、しっかりと相手のプレイヤーが何を考えてどの様にプレイしているのかを観察しながらプレイするのが重要です。自分より強いプレイヤーのプレイを観察しましょう!
K:特に私は Poker を始めたとき全く本などでは勉強しませんでした。ただひたすらに Poker をプレイしていました。

T:SnG(シットアンドゴー)、MTT(マルチテーブルトーナメント)、キャッシュゲームなどありますが、何を多くプレイするべきなのでしょうか?
K:やっぱりキャッシュですかね!リングテーブルでのプレイは対峙するプレイヤーをよく観察することによりなぜ自分より強いのかや、相手のプレイスタイルを観察できるのである程度の時間テーブルを共有できるリングテーブルはおすすめです。
K:一方Zoomはテーブルがどんどん変わってしまうのでその点は向かないですが、ハンド数は普通のリングゲームよりずっと多くこなすことができるので、その点は普通のテーブルよりも優れていると思います。どちらも一長一短あるのでキャッシュゲーム全般をプレイするのが良いと思います。

T:一ノ瀬とは同じ Poker Stars プロというだけでなく元々親交があったんですよね?
K:2012年の4月頃だったと思いますが公聖君が Poker の日本人コミュニティーに現れたんです。以前から「shinbunshi」という名前は当然知っていて、どんな人なんだろうと思っていたので、その時にチャットして連絡を取るようになったのが友達になったキッカケです。僕の結婚式にも参加してくれるほど仲良しです!プライベートでも時間が合えば食事をしたりもしますよ。

T:一ノ瀬木原さんの奥さんがとても優しくて、木原さんよりもお世話になってると言っていましたよ (笑)
K:これがPTJPさんのインタビューだから言うわけではありませんが、日本人の中で1番の天才プレイヤーは公聖君だと思います。

T:日本にも多くの強豪プレイヤーの方々がいらっしゃいますし、当然木原さんも含めると1番とは言えないのでは?
K:才能という観点で言うならば、トップは圧倒的に公聖君だと思います!公聖君のすごいところはイメージで相手プレイヤーのハンドや状況を判断し、最善の手を考えられるところ。だから常人よりも圧倒的に多くのテーブルをこなすことができるんです。私はロジカルに考えるスタイルで、相手の持つハンドのコンビネーションなどを計算してプレイするので最大で10テーブルほどしか同時にプレイすることができません。
K:私のスタイルはPTJPコーチでいうとClutch Heroに似ていると思います。彼のコーチングビデオ(コンビナトリックス等)を見ていても自分と同じ考えなのがよくわかります。なのである意味彼のビデオはあまり面白くありませんね(笑) やっぱり公聖君のビデオが一番面白いです。彼のハンドレビューを見ていると彼がどのようにイメージしてプレイしているのかが分かるのでとても面白いです。

T:実際、一ノ瀬Clutchならどちらと戦う方が嫌ですか?
K:公聖君のように全然タイプが違う人のほうがやり辛いですね。同じスタイルで、自分より少しレベルが低いプレイヤーが一番戦いやすいものです。Clutchと私はほぼ同じようなレベルにいると思いますが、同じくらいのレベルなら基本に忠実なプレイを心掛けることで対応できます。同じスタイルということは相手のしたいことや狙いも想像できるということなので、戦いやすいのではないでしょうか。

T:最後に一言お願いします。
K:繰り返しになりますが、 Poker を強くなりたかったら数を打つ。私は本などはほとんど読まずに只々プレイしました。相手を観察することでスキルを上げていったものです。 Poker 上達に近道はありません。より密度の高いプレイをより多く続けることです。毎ハンドしっかり考えてプレイしていって下さい。
K:要は、大学受験をするときと同じです。ただ長い時間机に座っていても学力は向上しません。集中力をもってより多くの時間を勉強に充てることで学力は向上します。同じ様に集中して多くのハンドを経験することで少しずつレベルは上がっていきます。自分より強いプレイヤーと出会ったときに、何故自分より強いのかを考える。考えることで理由が見えてくる。そのとき1つ階段を登ることができます。その繰り返しで少しずつ強くなっていくでしょう。

K:そういえば、5/10から始まるSCOOPはフルで参加します。138開催される中の120トーナメントは参加するつもりです。その中で優秀な成績を残してポイントランキング1位を取るつもりです!SCOOPの結果はPTJPさんの「ポーカースターズ結果まとめ」ブログで紹介されるそうなので、Tomoさんが勘弁してくれと言いたくなるほどファイナルテーブルに残りたいと思います(笑)
T:そうなれば僕も喜んでブログを書かせていただきますよ!
何はともあれ貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございました。一ノ瀬共々これからもよろしくお願いします!

以上 Poker Stars Team Online 木原”nkeyno”直哉さんでした!
因みに”nkeyno”の由来は子供の頃のあだ名の「キーノ」にイニシャルのnを付けたとのことです。
長文になりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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