第11問(3点):ターンでエフェクティブスタックは400点、ポットは100点です。Aさんのレンジの2/3が0%エクイティのエアーと1/3が100%エクイティのナッツで構成され、Bさんのレンジにはブラフキャッチャーしかありません。リバーカードのブロッキング効果が無いと仮定した場合、Aさんの最適ベットサイズはポットベットですか?
答え:Yes
説明:「The Mathematics of Poker」でGGOP(geometric growth of pot)という概念が紹介されています。(p. 241)複数のストリートが残っている時に完全にポラーなレンジがブラフキャッチャーしかないレンジにぶつかった時の最適ベットサイズは二つの条件を満たすものです:
1. 全ストリートでベット対ポットの比率が同じ
2. リバーのベットはオールイン
この問題でこの条件を満たす唯一のベットサイズはポットベットです。
ちなみに、ピオソルバーのフロップで「3e」、ターンで「2e」とベットサイズの欄に入力するとGGOPのベットサイズの選択肢が与えられます。
正解率:57%
第12問(3点):ポーカーのような2プレイヤーゼロ和ゲームで、異なるナッシュ均衡をプレイしているAさんとBさんが別々でCさんとぶつかった時、AさんとBさんの期待値が同じでありながらも、片方の分散がもう片方のより高いことは可能ですか?
答え:Yes
説明:簡単な例を挙げると、AさんとBさんはGTO戦略を使うCさんと2ハンド(SBとBBを1回ずつ)プレイするかしないか選べます。(この選択もゲームの一部です。)AさんはCさんとプレイすると選択し、HUNLHEのGTO戦略をプレイします。これはナッシュ均衡です。ある程度の分散が伴いますが、2ハンドの合計期待値は0です。BさんはCさんとプレイしないと選択します。これもナッシュ均衡です。この場合は分散も期待値も0です。
ゲーム全体の戦略というレベルではなく、より細かいポーカーの中での一つ一つの選択のレベルで複数のプレイの期待値が同じでも、片方の分散がもう片方より高いことは良くあることです。分散を抑えることで得できる状況も存在するので(例えば勝率を上げるために)、選択肢を比較する時にこの要素を見極める能力があると利益の向上に繋がります。
正解率:100%
第13問(4点):リバーでAさんはOOPでBさんはIPです。Aさんがレンジ全体をチェックし、ポットサイズベットに対してレンジの60%をフォールドする戦略と、Bさんがレンジを少しはチェックバックする戦略がGTO戦略のペアであることは可能ですか?
答え:Yes
説明:このシチュエーションでBさんが全てのハンドでベットしても利益が出せるようになってしまうのを防ぐために、Aさんは少なくても50%はコールしなければいけないという誤解があります。このポットオッズに基づいた単純なロジックが正しいのはBさんのブラフレンジがAさんのチェックレンジに対して0%エクイティの場合だけです。GTO戦略でBさんのブラフするハンドが無差別にされるのはブラフとフォールドに対してではなくブラフとチェックバックに対してなので、例えばBさんのブラフレンジの一番強いハンドのチェックバックの期待値がポットの20%であれば(つまりAさんのチェックレンジの一番弱い20%のハンドにショーダウンで勝つ)60%フォールドしても問題はありません。実戦でブラフレンジのエクイティが0%というのは珍しい状況なので、普段からこのようなスポットでバランスを取ろうとしてディフェンドしすぎている人は大きな間違いを犯しているでしょう。ピオソルバーで計算できる(無料バージョンでも可能)このシチュエーションの単純な例を用意しました(フォールド頻度は75%ですが、レンジを調節すれば60%にすることも難しくはありません):https://pastebin.com/5HjEQhM7
正解率:71%
第14問(4点):プリフロップでAさんはOOPのBBでBさんはIPのSBです。Bさんのミニマムレイズに対してAさんが60%フォールドする戦略とBさんがレンジを少しはフォールドする戦略がGTO戦略のペアであることは可能ですか?
答え:No
説明:Bさんがあるハンドをフォールドし、Aさんがミニマムレイズに対して60%フォールドしているのであれば、Bさんはフォールドしているハンドの戦略をミニマムレイズに変えることで期待値を上げることができるので、GTOではありません。ポットに1.5bb、ミニマムレイズに1.5bbかかるので、Aさんがフォールドしなかった時はBさんが100%負けると想定しても期待値は(0.6)*(1.5)+(0.4)*(-1.5)=0.3bbです。これはフォールドした時の期待値である0bbより高いです。
正解率:64%
第15問(4点):あなたは2つのボットがGTOであるかを調査してほしいと頼まれました。2つのボットの戦略を自分の持っているGTOボットの戦略とぶつかった時の期待値を計算してみると、片方はGTOと引き分けでもう片方はGTOに負けていました。これは引き分けのボットがGTO戦略を取っており、負けたボットがGTO戦略を取っていないことを証明していますか?
答え:No
説明:GTO戦略同士でぶつかれば期待値は共に0になりますが、GTO戦略と引き分けになる戦略は必ずしもGTOだとは限りません。実は、この問題の答えは第9問の答えから導き出せます。GTOから逸れても同じ期待値が維持できるのなら、GTOではなくてもGTOと引き分けになれるということになります。なので、負けたボットがGTOではないことは証明されましたが、引き分けのボットはGTOではない可能性がまだあります。
正解率:71%
今週の上位者(18/18):
glass100
ふかつ
zak