CB 戦術の考え方 Part1

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CB1ポーカーにおいて CB は基本的な戦術であると同時に、とても重要な戦術の一つです。
今回はその CB について詳しく考えていきたいと思います。

◆ベット◆

CBの前に、まずはベットについて考えて見ましょう。
ベットには大きく分けて以下の2つがあります。

●バリューベット(自分のハンドが勝っていると考え、相手のチップを引き出す為のベット)

自分が :9h: :9d: を持っているときにフロップが :ks: :9s: :6c:
フロップでベットするとコールされ、ターンで :2d: が出てさらにベットすると相手はコール。
リバーで :4d: が落ち、自分のハンドがベストハンドであると考え相手のチップを引き出す為にベットをします。
これらのベットがバリューベットです。

●ブラフベット(自分のハンドが負けていると考え、自分より強いハンドを降ろす為のベット)

例えば :8d: :7d: でBTNからオープンレイズしてBBのみがコール。
:da: :qc: :6h: というフロップが来て、こちらにはペアもドローもない状態です。
このような状況で自分より強いKハイや :5c: :5d::4d: :4h: のようなハンドにプレッシャーを掛けて降ろしに行くようなベットがブラフベットです。
ここではプリフロップでレイズしている為、こちらがAやQを持っていることを装いやすいので効果的なブラフベットになります。
ブラフの必要成功率はハーフベットで33%、3/4ベットで43%、ポットベットで50%です。

これから自分がしようとしているベットがどちらに当てはまるのかをしっかりと意識することが大切です。

◆ポジションとCB◆

CBをするかどうかを考える時に、ポジションの有無はとても大切な要素になります。
ポジションがあればCB頻度を上げることができますし、ポジションが無い場合はその逆になります。

●IPからのCB
まずはIPからのCBについて考えてみましょう。
ポーカーはポジションがあることによって多くの情報を得ることがで、これはとても大きなアドバンテージになります。
ポーカーのチップが基本的に左回りに移動していくというのは、ポジションアドバンテージによる影響です。
ポジションがあることによって利益は大きく、損失は小さくなる傾向にあります。

そしてほとんどの場合、IPのプリフロップレイザーはレンジアドバンテージを持っています。
そのレンジアドバンテージは多くの種類のフロップで引き継がれる為、ポジション・レンジの両方のアドバンテージの観点から見ても、オリジナルレイザーのCBは理にかなった戦術と言えます。

これらの理由から、IPからはバリューベット、ブラフベットの両方を高い確率ですることができます。

●OOPからのCB
次にOOPからのCBについて考えてみましょう。
オリジナルレイザーですのでほとんどの場合レンジアドバンテージはありますが、OOPなのでポジションアドバンテージはありません。
ポジションの不利をレンジアドバンテージで打ち消すことは簡単ではなく、特にレンジアドバンテージの差が小さくなるようなコール側にフィットするフロップのボードテクスチャでは、レンジとポジションのアドバンテージを総合的に考慮した場合の期待値で負けてしまうこともあります。

ですのでOOPからのCBは、オリジナルレイザーのレンジにフィットする(レンジアドバンテージの差がある)フロップを選んでする必要があります。
例えばAハイのドライボードやペアボード、ブロードウェイボード等はそれに適したフロップと言えます。

●ポジションの有無によるアクションの変化
ここではポジションの有無による、CBも含めたアクションの変化について考えてみましょう。
まずはハンドを強さによって大きく4つに分類してみます。

①強いバリューハンド
トリプルバレルも含めた複数のストリートでバリューベットができるハンド

②マージナルハンド
複数のストリートでのバリューベットが難しいハンド

③セミブラフハンド
フラッシュドローやオープンエンド、ガットショットなどのドローハンド

④弱いハンド
完全にフロップを外した、チェックバックやチェックフォールドをするようなハンド

これらをIPのアクションを基準として考えてみましょう。
結論から言うと、OOPでは①②③全てのCB確率を下げなければなりません。
これはポジションのディスアドバンテージによりハンドの期待値が減少しているからです。

①の場合は、CBレンジを削りチェックコールに回すことによってチェックレンジを守ることになります。
②の場合も同様に、CBレンジを削りチェックコールできるレンジを増やすことでアクションのバランスを取ります。
③の場合には、強いドロー(オーバーカード+ガットショット以上)のようなハンド以外の弱いドローはチェックフォールドといった感じです。

OOPは損失が膨らみやすいポジションなので、アクションのバランスを取ることがより重要になります。

◆マルチウェイポットのCB◆

マルチウェイポットでは多くの相手とポットを争う為ポットの獲得が難しくなり、ポットも大きくなりやすく慎重な判断が必要になります。
マルチウェイポットでのCBの基本的な考え方は、バリューの比率を増やし、ブラフを少なくすることです。
そしてバリューベットをする場合にはHUの時よりもしっかりしたハンドが必要となり、トップペアグッドキッカー以上のハンドが基本となります。
ですのでマルチウェイポットでのCBは、強いメイドハンドでのバリューベットや強いドローでのセミブラフが適しています。

例えば :ah: :8h: を持っていてフロップが :8d: :6d: :3s: の場合は、ターン以降のオーバーカードからのプロテクトや、自分よりも弱いハンドへのバリューを取りに行く意味でのCBが必要になります。
ですが :kh: :jh: を持っていてフロップが :kd: :10s: :2c: の場合には、基本的にこちらにとってのスケアカードはAだけですし、セカンドペアから3ストリートでバリューを取ることは難しい為、フロップをチェックしてハンドの強さを隠しつつポットコントロールをします。
感覚的にはヘッズアップポットで弱いトップペアやセカンドペアでCBをせず、ディレイCBをする場合と似ています。

 

このようにCBという一つのアクションだけでも、様々な状況の違いによって考えなければいけないことがたくさんあります。
次回のPart2では、CBのサイジングやアドバンテージによる影響等を紹介していきます。