今回は Capped Range についてまとめていきたいと思います。
◆Capped Range◆
Capped Rangeとはキャップされたレンジのことで、レンジの上限が制限された状態のことです。
オーバーペアや2ペア、セットやストレートやフラッシュ等の強いハンドを極少数しか、もしくは完全に含まないレンジを指します。
例えばMPがレイズインしてBBのみがコールでHU。
フロップが
でBBがチェックし、MPもチェックしたとします。
この場合のMPは、基本的にトップペア以上のハンドでバリュー、ドローでのセミブラフのCBをすることができます。
ですがMPは今回チェックしたので、それらの強いバリューハンドとドローハンドがレンジの中から抜けることになり、それによりレンジがキャップされ弱くなります。
さらにターンで何かしらのドローが完成するカードが落ちた場合、それらの強いハンドを主張することができない、もしくは難しくなってしまい、この場合はBBがターン以降で攻撃しやすくなってしまいます。
◆Capped Rangeをうまく利用する◆
それではここで一つの例を見てみましょう。
◇HJがオープンレイズして、SBとBB(
)がコールで3way
●フロップは
でチェックアラウンド
オリジナルレイザーのHJがチェックをしたことで、HJのレンジがキャップされています。
HJのレンジの中に強いレンジはかなり少なくなり、弱いA以下のハンドの可能性が高くなりました。
●ターンは でSBとBBがチェック、HJのベットに対してSBが降りてBBがチェックレイズしてHJがコール
HJのベットレンジは前述したようなマージナルなレンジが多く考えられます。
もちろんフロップでスロープレイしたQJやフロップセット、ターンのセットやA5sのようなハンドも考えられますが、それらはコンビネーションとして少なく、3wayポットでCBをしなかったことからそれ以外のマージナルなハンドの可能性が高そうです。
そのようなレンジに対して、BBはフラッシュドローでセミブラフをしています。
BBのバリューチェックレイズレンジとしてはQJ,55,AT,A5,K5,KTのようなものがあり、セミブラフのレンジとバランスを取っています。
●リバーは でBBがオーバーベット
リバーの6はラグでBBのフラッシュドローは完成しませんでしたが、BBにはレンジアドバンテージがあり、HJのレンジはキャップしている為、ここはHJのキャップしたレンジに対して大きなプレッシャーを掛けるオーバーベットブラフが有効な戦術になります。
◆Capped Rangeを守る◆
Capped Rangeを守る為には、強いハンドやドローのいくつかをチェックレンジに組み込む必要があります。
特にプローブベットが多いアグレッシブなプレイヤーに対しては、フロップのチェックレンジを強くすることがより効果的になります。
Capped Rangeに強いドローもいくつか組み込むことで、ターンにドローが完成するカードが落ちてもプレイしやすくなります。
こちらのレンジを考えるような上手なプレイヤーとの対戦では、このようにレンジのバランスを取る戦略が有効になります。
ですがこちらのレンジを考えないようなプレイヤーに対しては、バランスよりもエクスプロイトする戦略が有効になります。