BBプレイ (ショートスタック編)

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BBというポジションでは、既に1BBの投資をしておりオッズがいいこと、自分がプリフロップで最後にアクションできること等の理由で、かなりワイドなレンジでBBをディフェンドするという戦略が主流になっています。
今回はそれらの理由をさらに詳しく見ていきたいと思います。
有効スタックは10BBとします。

◆BBで :7d: :6d: を持ち、BTNからのミニマムオープンレイズにSBがフォールド
この状況ではBBに以下の3つの選択肢があります。

1フォールド
2コール
3レイズオールイン

まず1のフォールドですが、 :7d: :6d: というハンドはハイカードこそないですが、スーテッドコネクタなので扱いやすいハンドです。
ですのでこのハンドを降りるというのは、ハンドエクイティ的にももったいないです。

次に3のレイズオールインですが、この状況ではBTNのプレイヤーがショートスタックのBBに対してレイズをしていることからも、極端にルースにオープンレイズをしていない限り、こちらのレイズオールインに対して降りることはほとんどないと思います。
つまりこの状況では、10BBのオープンオールインを受けるのとあまり変わりありません。
ですのでこちらには相手からのオールイン要求に耐えられるハンドが必要ということなので、 :7d: :6d: では少し足りません。

それでは2のコールについて考えていきましょう。
BTNのプレイヤーがミニマムレイズなので、BBはあと1BBの投資でフロップを見ることができ、コールするオッズはすごくいいです。
そしてハンドはスーテッドコネクターなのでドローもできやすく、フロップのペアに加えて、ガットショット以上のドローでも相手のCBに対してアタックすることができます。
そして :ah: :kd: :qs: のような、こちらが完全にはずしてしまったフロップでは簡単にフォールドすることができ、プリフロップでオールインをした時と比べ残りのスタックを節約することができます。
そしてこのようなショートスタックの場合は、フロップで降りるか全部入れるかのどちらかなので、プレイは簡単になります。

同じ状況で30BBの有効スタックがある場合はどうでしょうか。
この場合も :7d: :6d: が扱いやすいハンドであることには変わりありませんが、10BBの時と比べてプレイが難しくなります。
例えば :kh: :10s: :6s: のようなフロップが出た場合、フロップにCBに対してコールはできるかも知れませんが、ターンに6か7が出なければ相手のセカンドバレルには降りることになります。
そしてスタックが深くなっている分、ポジションの不利も大きくなるのでショウダウンが難しくなり、自分が持つエクイティの実現も困難になります。

これらの理由から、特に10BB前後のスタックでのBBディフェンドは有効な戦略だと言えます。
それでは次に、いくつかのボードテクスチャを例にとりながら、さらに詳しく見て行きましょう。

◆BBで :7d: :6d: を持ち、BTNからのミニマムオープンレイズにSBがフォールド。有効スタックは8BBとします。
BTNのオープンレンジを37.25%として仮定して考えます。
フロップのSPRはほぼ1になります。

●フロップが :ac: :kc: :3h:
このようなフロップでは、BTNのオープンレンジに対してこちらのエクイティは約10%しかありません。
ここは簡単にチェックフォールドできる場面です。
有効スタックが8BBなので、もしプリフロップでオールインしていても相手はほぼ100%コールするはずです。
ですので残りの6BBを節約できたと考えましょう。

●フロップが :8d: :4s: :2c:
このフロップではこちらにガットショットとバックドアフラッシュドローがあり、悪くないフロップです。
相手のレンジに対しては36%のエクイティがあります。
少し物足りなく感じるかも知れませんが、フロップではSPRがほぼ1なので、相手のオールインに対してもコールできるエクイティを持っています。
ですがこのようなハンドの場合はフォールドエクイティを考えてリードベットオールインがいいでしょう。
相手のレンジの2オーバーカードのようなハンドはほとんど降ろせますし、もしかしたらこちらのトップペアを警戒して弱いペアを降りてくれるかも知れません。

●フロップが :7s: :2h: :2d:
このフロップはこちらにとってとても良いフロップです。
もちろん相手のオーバーペアなどには負けていますが、相手のレンジに対して約70%ものエクイティがあります。
フロップでのアクションですが、リードベットオールインをするのもチェックをするのも、どちらもできると思います。
オールインをすることで、Aのない2オーバーカードのようなハンドををフォールドさせエクイティを守ることもできますし、66以下のペアハンドや強いキッカーのAなどのハンドにコールしてもらい、こちらが有利な勝負をすることができます。
こちらのチェックに対して相手もチェックしてしまった場合には、相手にフリーカードを与えることになってしまいますが、こちらがオールインをした場合と比べてより弱いハンドでスタックオフしてくれる可能性があります。
ですがドローでもリードベットオールインをする場合には、このようなメイドハンドとミックスするのが効果的です。

●フロップが :kh: :7h: :2c:
このフロップも良いフロップと言えます。
ミドルペアがヒットし、相手のレンジに対して約56%のエクイティがあります。
この状況でリードベットオールインをするのかチェックをするのかは難しいところですが、どちらも間違いではないと思います。
ですがこのようなボードの場合、こちらオールインによってこちらが勝っている相手のメイドハンドを降ろしてしまう可能性があります。
相手のCB頻度にもよりますが、この場合はチェックレイズオールインの方が期待値は高いと思います。