今回は 3ベット ・4ベットの基本戦略についてまとめていきたいと思います。
◆3ベット◆
ポーカーではBBがブラインドをポストした時点で1ベットという扱いになる為、オープンレイズが2ベット、そして2ベットに対するレイズが3ベットとなります。
ポーカーにおいて3ベットはとても重要なアクションであり、本来はオープンレイズに対してさらにレイズするプレイなのでかなり強いハンドが必要になりますが、マージナルなハンドでする3ベットをライト3ベットと言います。
ここでは3ベットの基本的な考え方を紹介します。
有効スタックは100BB、対戦相手は標準的なスタッツ、6MAXゲームとします。
●3ベットレンジとポジション
ここでは基本的な3ベットレンジを紹介します。
もちろん相手がルースプレイヤーの場合には通常よりも広い3ベットレンジを、タイトプレイヤーの場合には通常よりも狭い3ベットレンジというようにアジャストする必要があります。
例 UTGがオープンレイズ UTG+1が3ベット
この場合はUTGのオープンレイズレンジが狭い為、UTG+1の3ベットにはかなり強いハンドが必要になります。
基本的にはJJ+, AQs+, AKoのような強いハンドレンジが必要になります。
例 COがオープンレイズ BTNが3ベット
この場合はCOが比較的ルースにオープンできるポジションであり、BTNにポジションがある為、BTNの3ベットレンジはそれなりに広くすることができます。
基本的には88+, A8s+, A5s-A2s,KJs+, QJs, JTs, T9s, 98s, 87s, ATo+, KQoのようなハンドレンジになります。
ですが上記のハンド全てで3ベットをしてしまうと3ベットが多くなり過ぎてしまう為、この中でフラットコールするレンジも作ります。
特にKJs以下のスーテッドコネクターや、A9以下のスーテッドAは3ベットとフラットコールを使い分けバランスを取りましょう。
ブラインドにアグレッシブなプレイヤーがいる場合には3ベットを多くし、パッシブなプレイヤーの場合にはフラットコールでフロップを見に行くといったように、まだアクションをしていないプレイヤーにも気を配ってアクションをしましょう。
●3ベットサイズ
3ベットサイズは、ポジションとスタックサイズによって変化させる必要があります。
①ポジションによる違い
IP(インポジション)の場合の基本的な3ベットサイズは、オープンレイズの3倍ほどです。
つまり3BBのオープンレイズに対しては9BBほどの3ベットサイズが基本となります。
それに対してOOP(アウトオブポジション)ではIPの時よりも大きなサイズの3ベットが必要になります。
OOPの場合は相手にポジションがある為、相手はOOPの時よりもより大きなインプライドオッズを考慮することができます。
つまりOOPの時よりもIPの時の方がコールレンジが広がるということです。
ですのでその分3ベットサイズを大きくする必要があります。
基本的にはオープンレイズ額の4倍前後と考えて下さい。
②スタックサイズによる違い
今回は有効スタックを100BBとしましたが、ショートスタックの場合はインプライドオッズが小さくなるので小さい3ベットサイズでも効果がありますし、ビッグスタックの場合はインプライドオッズを小さくする為に3ベットサイズを大きくする必要があります。
上記以外にも、オープンレイズにコールしたプレイヤーがいる場合は、その分3ベットサイズを大きくする必要があります。
そして相手の3ベットコールレンジが広い場合は、3ベットサイズを大きくするなど、相手のスタッツによっても変化させる必要があります。
●ライト3ベット
ライト3ベットとは、マージナルなハンドでの3Betです。
ライト3ベットには大きく2つの効果が見込めます。
①アグレッションを持つことで、ポストフロップを優位に進めることができる
②自分の3ベットレンジを読みにくくすることができる
常に強いハンドだけで3ベットをしていると相手に自分のハンドレンジが分かりやすくなってしまいますし、せっかくビッグハンドが入ってもバリューが取りにくくなってしまいます。
ですので通常の3ベットレンジの他に、A5sのようなAブロッカーを使ったものや、87sのようなポストフロップが比較的プレイしやすいハンドを使いライト3ベットをすることでプレイの幅を広げることができます。
◆4ベット◆
ポーカーではBBがブラインドをポストした時点で1ベットという扱いになる為、オープンレイズが2ベット、そして2ベットに対するレイズが3ベットとなります。
そしてその3ベットに対するレイズが4ベットです。
4ベットは特に、ディープスタックでプレイすることが多いキャッシュゲームで重要になってきます。
ここでは基本的な4ベットの考え方を紹介します。
有効スタックは100BB、対戦相手は標準的なスタッツ、6MAXゲームとします。
●4ベットレンジとポジション
当然ですが、4ベットは3ベットよりも狭いレンジですることになります。
相手やポジションによって変化しますが、4ベットは基本的にJJ+, AQs+, AKoなどのプレミアかそれに近いレンジですることになります。
相手によって変化するというのは、相手のスタッツによって変化させる必要があるということで、ルースに広いレンジで3ベットをしてくる相手に対してはこちらの4ベットレンジも広くなりますし、その逆もそうです。
ポジションによって変化するというのは、例えばUTGからオープンしてUTG+1から3ベットされた場合の4ベットレンジはさらに狭くなりますし、BTNからオープンしてブラインドに3ベットされた場合、こちらの4ベットレンジは広くなるということです。
●4ベットサイズとコミット
基本的な4ベットサイズは3ベット額の2~3倍ほどで、2.5倍前後が標準的なサイズです。
4ベットサイズを決める際に重要なのは、相手のスタッツと有効スタックとポジションです。
相手が4ベットをルースにコールしてくるようなら4ベットサイズを大きくすべきですし、有効スタックが大きい場合にも相手にインプライドオッズを与えない為に大きくすべきです。
自分にポジションがあるなら4ベットサイズは小さくても効果的ですし、ポジションがないなら大きくすべきです。
これが4ベットサイズの基本的な考え方です。
そして4ベットと関係が深い要素としてコミットの考え方があります。
コミットとは、簡単に言えばチップをポットに入れすぎてしまった為、オッズの関係で降りれなくなってしまうことをコミットすると言います。
お互いのハンドの強さにもよりますが、スタックの30%以上をポットに入れてしまうとコミットすると考えて下さい。
つまりこの記事の中の定義では有効スタックが100BBですので、例えばそれなりにエクイティのあるハンドを持っている状態で、35BBをプリフロップの段階でポットに入れてしまうと、エクイティ的に負けてると分かっていてもオッズ的に相手のオールインに対して降りることが期待値的にマイナスだということです。
そしてこちらがAAのような、相手の5Betオールインにもスナップコールするようなハンドを持っている時にこのようなコミット4Betをしてしまうと、こちらにフォールドの意思がないことが相手にバレてしまい、相手のブラフ5Betを期待できなくなってしまいます。
ですので4Betのサイジングはコミットのラインを意識して考えましょう。
●ライト4ベット
ライト4Betというのは、マージナルなハンドでする4Betのことです。
ルースに3Betする相手に対して、A5sなどのAブロッカーを使ってのライト4Betが一般的です。
有効スタック100BBの状況では、4Betに対してのアクションは基本的に5Betオールインかフォールドになります。
相手にポジションがない場合は特にこの傾向が強くなります。
例えば相手が9BBの3Betをして、こちらが22BBの4Betをした場合、相手のどのようなサイズの5Betでも相手はコミットしてしまいます。
ですのでライト4Betは、ポットに対して少ないチップで大きなプレッシャーを掛けることができる優れた戦術と言えます。
ですが近年の傾向として、4ベットに対してOOPでもコールするプレイが増えてきました。
このようなプレイをする相手には、4ベットレンジを狭く、強くすることや、4ベットサイズを大きくする等で対応することができます。