ブロッカー とは、自分の持つハンドによって他のプレイヤーが持つことができるハンドコンビネーションに影響を与えるカードのことです。
例えば自分が を持っていれば他のプレイヤーが
を持っていることはあり得ませんし、他のプレイヤーがAを持っている確率が下がります。
フロップにAが出てこちらにAのペアができた場合、残りのAは2枚になるので他のプレイヤーがAを持っている確率はさらに下がります。
ブロッカー の概念を理解することはとても重要です。
今回は ブロッカー を効果的に使えるシチュエーションについてまとめていきたいと思います。
◆プリフロップの3ベット+◆
まず最初に紹介するのは、プリフロップの3ベット・4ベット・5ベットのようなシチュエーションです。
ブラフで3ベット+のアクションをする場合、ハンドによっては相手の強いレンジをブロックし減らすことができます。
●例 LJからのオープンレイズに対してBTNから
でライト3ベット
BTNには があり、これによりLJ強いレンジの内のAAを50%、AKを25%減少させることができます。
LJの4ベットレンジを仮にQQ+,AKとした場合、合計34コンボ(QQ+が18コンボ、AKが16コンボ)ですが、 をブロックしていることによって27コンボになり、約21%減少することになります。
◆ブラフキャッチ◆
次にコール、特にブラフキャッチのシチュエーションについて考えてみましょう。
ブラフキャッチのシチュエーションでは、相手のブラフレンジをこちらがブロックしていないことが重要です。
●例 BTNからのオープンレイズに対しBBで
を持ちコールしてHU
フロップは
でチェックコール
ターンは でチェックコール
リバーは でBBのチェックに対してBTNがトリプルバレル
この状況でBTNのトリプルバレルをコールするのに、
は適したハンドと言えます。
トップペアというショウダウンバリューがあるというのはもちろんですが、9はBTNのトップセットとトップペアをブロックし、6はBTNのストレートをブロックしています。
そしてBBはBTNのセミブラフハンドであるQTやJT、T7などのストレートドローや、ダイヤモンド、スペードのフラッシュドローに関係するカードをほとんどブロックしていません。
つまりBTNのブラフレンジをBBがブロックしていない為、BTNのバリューレンジに対するブラフレンジの比率が高くなるのでブラフキャッチに適したハンドと言えます。
◆ブラフ◆
それでは最後にブロッカーを使ったブラフの例を見てみましょう。
●例 COからのレイズに対してBBで
を持ちコール
フロップは
でCOのCBをチェックコール
ドライなフロップでミドルペアの良いキッカーをヒットしました。
フェイバリットの可能性も十分にあるのでここはチェックコールをします。
ターンは が落ちてチェックアラウンド
ターンにオーバーカードのKが落ちたにも関わらずCOはチェックした為、Kやハートのフラッシュドローよりも、ショウダウンバリューのあるハンドが多そうです。
リバーは が落ちて、こちらのチェックに対してCOはハーフベット
こちらには9のペアのショウダウンバリューがあるのでチェックをしました。
チェックアラウンドなら勝っている可能性もそれなりにありそうです。
ですがCOはハーフベットをしてきました。
このラインとベットサイズを見ると、JやK、QQのようなペア系のハンドのバリューベットの可能性が高そうに見えます。
つまり9のペアは負けている可能性が高く、コールは難しそうです。
それではここでブロッカーを使ったチェックレイズブラフについて考えてみましょう。
こちらが持っている は99やJ9、K9をブロックしていますし、
はQTのストレートや
や
のようなフラッシュ、そしてQJやKQのようなペア系のハンドをブロックしています。
このことによってCOの強いバリューレンジのコンビネーションが少なくなることから、チェックレイズブラフをするのに適した状況であると言えます。