今回は ブラインドスティール について考えていきたいと思います。
ブラインドスティール とは、主にCO・BTN・SBからのオープンレイズのことで、特にミドルやショートスタックでプレイすることが多く、アンティの発生するトーナメントでは重要な戦略の一つです。
◆ブラインドスティールの頻度とレイズサイズ◆
例えばBTNからのスティールをする場合、いつも同じレイズサイズを使う必要はありません。
アーリーポジションからのレイズとは違い、BBとSBしか残っていない為、その二人のプレイヤーの傾向に合わせてスティールの頻度やレイズサイズを変化させることができます。
ブラインドのプレイヤーがタイトで、スティールに対して降りすぎる(60~65%以上)場合には、レイズサイズを小さく、そしてスティールの頻度を増やすことでブラインドスティールの期待値を上げることができます。
逆にルースで降りないプレイヤーに対しては、スティールレンジをタイトにしてレイズサイズを大きくします。
そうすることで、ポジション・レンジアドバンテージを持った上で、大きなポットをプレイすることができます。
◆ブラインドの考え方◆
ブラインドはポジションが悪く、既にチップを投資している為、ブラインドで利益を出すことは不可能と言えるくらい難しいです。
ですのでブラインドでは利益を出すというよりも、損失を抑えるという考え方でプレイします。
一つの指標として、BB/100というものがあります。
これは100ハンドでどれだけの利益や損失があるかという指標で、例えばBBを全てフォールドしたとすると、BB/100は-100BB/100になり、SBの場合は-50BB/100になります。
つまりこれ以下の成績にならなければ、ブラインドでの損失を抑えられているということです。
これらの正確な数字は、ポーカートラッカー等のトラッキングソフトを使うことで知ることができます。
目安としては、BBなら-40BB/100、SBなら-20BB/100程度まで損失を抑えることができれば、良好な成績と言えます。
◆BTNスティールに対するBBディフェンド◆
BTNのスティールに対してSBがフォールドし、BBとのHUになる機会は多くあります。
この場合、BTNとBBのプレイヤーはかなり広いレンジを持ってプレイすることになります。
BTNのオープンレイズは、ほとんどの場合40%以上の高い確率ですることになり、その頻度やレイズサイズに応じてBBもブラインドを守らなければなりません。
タイトレンジの大き目なレイズサイズに対してはフォールドを増やし、ルースレンジの小さ目なレイズサイズに対してはフォールドを減らします。
BBにはポジションがありませんが、プリフロップの最後のアクションになる為、コールをすることで必ずフロップへと進むことができます。
そしてその為の良いポットオッズもあります。
BTNが2BBのオープンをしてBBでコールする場合、4.5BBのトータルポットの為に1BBの投資をするので、ポットオッズは約22%になります。
もしここにトータル1BBのアンティがあるとすると、ポットオッズは約18%になります。
これは一見全てのハンドでプレイできるように感じますが、BBにはポジションアドバンテージがないことを考慮する必要があります。
詳しくはエクイティリアライゼーションについてをご覧ください。
◆BTNスティールに対するSBディフェンド◆
BTNスティールに対してSBからディフェンドする場合、コールという選択肢は以下の2つの理由から難しいものになります。
①BBからのスクイーズ3ベット
SBでコールした場合BBのアクションがまだ残っており、BBがスクイーズをしてBTNがフォールドすると、SBにはポジションも主導権もない状況で大きなポットをプレイしなければならなくなってしまいます。
さらにBTNのオープンレイズに対してSBで3ベットしなかったことから、SBのハンドレンジは絞られやすくなってしまいます。
②BBがコールして3wayポット
SBがコールしたことでBBに良いポットオッズを与えることになり、BBはかなり広いレンジでコールすることができます。
これはどちらかと言えばSBにとって良い結果と言えますが、それでも3wayポットを一番悪いポジションでプレイしなければならず、かなり難しいスポットになります。
これらの理由から、SBからのディフェンドには3ベットorフォールドが適しています。