バブルファクター とは?

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今回は バブルファクター について考えていきましょう。

まず バブルファクター とは、トーナメントのバブル時やそれに近い状況の時に発生する特殊な値のことです。
勝負に勝って得られるチップと負けて失うチップが同額でも、賞金期待値としての差がそれ以上に出てしまう状況では、 バブルファクター が影響していると言えます。

極端な例を挙げると、トーナメントであと1人飛べば入賞の状況があるとします。
Aさんは残り1チップしか持っていませんがAAが配られました。
ですがAさんの前で、それぞれが500チップを持つBさんとCさんがオールインでぶつかっています。
この状況では降りることで100%入賞できるわけですから、いかにAAと言えども降りることが期待値プラスとなります。

このような状況では、オッズだけで考えることは期待値マイナスとなり、最適なプレイが変わってきます。
特に入賞によるプライズが同一のサテライトやダブルオアナッシングのようなトーナメントの場合は、バブルファクターの影響が大きくなります。
逆にキャッシュゲームや、トップ総取りのSPINでは バブルファクター の影響はありません。

それではここからは9人参加のSnGを例にとり、HoldemResources Calculatorというソフトを使いより詳しく説明していきます。

35チップスタックやブラインド状況は右の画像を参照して下さい。
3位までが入賞、残り4人の状況で強い バブルファクター がかかっています。
ここではCOにいる一番ショートスタックのプレイヤーが降りたと仮定します。

 

 

 

 

36そうなると右の画像を見てわかる通り、 バブルファクター の影響によりBTNのチップリーダーは100%のレンジでオールインすることで期待値が大きくプラスになります。
これはショートスタックのCOが降りている為、通常よりもSBとBBのプレイヤーのコールレンジが狭くなるからです。

ですがSBのプレイヤーがAKoというかなり強いハンドを持っていました。
SBのプレイヤーはBTNのプレイヤーが100%のレンジでオールインをしていると知っていたのでコールしました。
さてこのコールは正しいコールだったのでしょうか。
次にSBのコールレンジを見てみましょう。

37それでは右の画像でSBのコールできるレンジを確認してみて下さい。
残念ながらAKoでのコールは大きなマイナスとなることがわかりました。
そしてこれはBTNが100%のレンジでオールイン場合のコールレンジなので、その100%のレンジが狭くなる程、SB・BBのコールレンジは狭くなります。
これが バブルファクター がテーブルに与える影響です。
今回はSBのプレイヤーがコールしたので、それにより期待値上で得をしたのはCOとBBのプレイヤーということになります。

このように バブルファクター による影響を紹介しましたが、時には例外もあります。
一つは特にライブトーナメント等で、優勝にしか興味がない場合はこのような期待値マイナスなコールもありだと思います。
上の例では、コールをして大きなポットを獲得することができればチップリーダーになり、その後のゲームを有利に進めることができます。

もう一つは少しイレギュラーですが、今後の為にBTNのプレイヤーを牽制する狙いでコールする場合です。
今回の場合はAKoでコールしたとしても相手の期待値はほとんど下がりませんが、自分の期待値を犠牲にしてルースコールをすることで、「あっ、この人コールレンジ理解してないな。 バブルファクター が効いてる状況でもオールインは控えめにしよう。」というように、無言のプレッシャーを与えることも可能です。
レギュラープレイヤーであればプレイヤーノートにメモを取るはずなので、それなりに効果はあると思います。

いかがでしたか?
今回は簡単に説明しましたが、ここは相手にプレッシャーがかかりそうだな、ここのコールはタイトにした方がよさそうだな、というように感覚的にでもわかって頂けたら幸いです :bye: