今回は ナットアドバンテージ について考えていきたいと思います。
◆ナットアドバンテージ◆
ナットアドバンテージとは、複数のハンドレンジの中でナッツに近い強さのハンドの割合の高さを比較したもので、その割合が高い方をナットアドバンテージがあるという言い方をします。
この場合のナッツに近い強いハンドの定義は状況によって変化しますが、基本的には2ペア以上のハンドと考えます。
これはレンジアドバンテージやポジションアドバンテージと同様に大切な考え方で、プレイする際の強い武器にもなります。
それでは一つの例を見てみましょう。
この画像は、9人テーブルにおけるUTG(左)のオープンレイズレンジと、そのレイズに対するBB(右)のコールレンジを想定したものです。
UTGのオープンレイズに対してBBのみがコールでHUになり、フロップは
。
このフロップで2つのレンジを比較した場合、レンジアドバンテージはUTGにあります。
UTGのエクイティが58.44%、BBのエクイティが41.56%です。
それではナットアドバンテージはどちらにあるでしょうか。
今回はナットアドバンテージの基準を2ペア以上で考えてみます。
こちらがUTGのハンドレンジの内訳です。
UTGのレンジに中に2ペア以上のハンドは66のセットしかなく、2ペアもストレートもありません。
UTGのハンドレンジ内の割合としては2.29%になりました。
そしてこちらがBBのハンドレンジの内訳です。
BBのハンドレンジではストレート、セット、2ペアの全てを作ることができます。
BBのハンドレンジ内の割合としてはストレートが3.72%、セットが2.09%、2ペアが4.19%になり、全てを合わせると10%という高い割合になります。
つまりこの場合はBBにナットアドバンテージがあると言えます。
今回の例ではUTGにレンジアドバンテージとポジションアドバンテージがありますが、BBには強いナットアドバンテージがあります。
ナットアドバンテージがあることによってBBはアグレッシブにプレイすることができ、UTGに対してプレッシャーをかけやすくなります。
UTGには2ペア以上のハンドの割合が少なく、それと比較するとBBには高い割合で2ペア以上のハンドがあるからです。
ナットアドバンテージがあることの強みは、チェックレイズやダブル・トリプルバレルのような強いアクションをすることができる点です。
言い方を変えれば、強いアクションをしても不自然に見えないということです。
BBには強いアクションができるレンジがしっかりとあるので、ベットやレイズも信用されやすくなります。
そしてそれを利用して強いアクションにセミブラフなどのハンドも加えることができるようになり、アグレッシブにプレッシャーをかけていくことが可能になります。
このようにナットアドバンテージという考え方は強い武器になりますが、相手が自分のハンドレンジを考えてくれるようなプレイヤーでなければ意味がないので注意が必要です。
レンジアドバンテージと同様に、どちらにナットアドバンテージがあるのかということも意識しながらプレイすることが大切です。