◆ドンクベット◆
ポーカーの基本的なアクションとして、IP(インポジション)のオリジナルレイザーに対して、OOP(アウトオブポジション)のプレイヤーがチェックするというものがあります。
これはプリフロップでイニシアチブがあるプレイヤーには、ほとんどの場合レンジアドバンテージがあるということに基づいた考え方です。
ですが特にフロップでイニシアチブがないOOPのプレイヤーがベットすることがあり、これをドンクベットと言います。
◆ドンクベットのイメージ◆
ドンクベットのイメージは決して良いものとは言えず、上手ではないプレイヤーが使うアクションとして認識されている場合が多いです。
プレイの選択肢にドンクベットを組み込むことでアクションのバランスが難しくなり、大抵搾取されやすくなってしまう為、より高度なスキルが必要になります。
つまりしっかりとバランスの取れたドンクベット戦略を持っていない限りはデメリットが多くなってしまい、ドンクベットを使うプレイヤーの多くは利益的なプレイをしているとは言えません。
ポーカーではアクションのバランスを考えることはとても重要であり、例えばペア以上のハンドの全てでドンクベットをした場合、相手は弱いハンドをフォールドし、ドローはコール、強いバリューハンドはレイズといったようにアジャストすることが可能になります。
さらにドンクベットをしない場合のチェックレンジが弱くなりすぎてしまい、相手がブラフしやすくなってしまいます。
◆ドンクベット率◆
ここではドンクベット率ごとの違いを考えていきます。
ここで紹介するドンクベット率にはある程度多くのサンプル数が必要であるということに注意して下さい。
●0~10%
この場合のドンクベットはほぼ間違いなくバリューです。
ドンクベッターが極端に広いコールドコールレンジを持っている場合には、このような低いドンクベット率だとしてもそれなりのレンジが残りますが、基本的にはTPTKのような強いハンドを持っていたとしてもあまり安心はできません。
●11~20%
この場合もバリューヘビーなハンドが考えられるので、慎重にプレイする必要があります。
強いペア以上のハンド以外にも、強いコンボドローやフラッシュドロー、オープンエンドストレートドローなどが考えられます。
どの程度の強さのペア系のハンドやドロー系のハンドが含まれているのかを把握することが大切です。
●21~35%
この辺りからブラフレンジが増えてきます。
もちろん強いバリューハンドも含まれますが、相対的にブラフの割合が大きくなってきます。
ドンクベット率が高い為、このようなプレイヤーのチェックレンジは弱くなり、CBに対してフォールドする確率が高くなります。
●36~50%
このように高いドンクベット率の場合には、ブラフの割合がかなり高くなります。
そして本当に強いメイドハンドをチェックコールやチェックレイズに回すプレイヤーの場合、このドンクベットは多くの弱いハンドやブラフハンドによって構成されていると考えることができます。
◆ドンクベットの有効活用◆
相手のプレイスタイルによっては、ドンクベットも有効な戦略になります。
例えばCB確率が低く、ショウダウンする確率が高いプレイヤーです。
ベット率が低くコールが多いパッシブなプレイヤーに対しては、しっかりとしたハンドでドンクベットをして、バリューを狙うプレイが効果的です。
特に他のプレイヤーのプレイに注意を払わず、自分のハンドだけを見ているプレイヤーには多くのバリューが期待できます。