今回はトーナメントをプレイする際に有効なHUD(ヘッズアップディスプレイ)を紹介したいと思います。
HUD とは、ホールデムマネージャー等のトラッキングソフトに付随する機能で、自分や相手のスタッツ(情報)をテーブル上に表示させることができます。
これにより相手のスタッツを瞬時に知ることができます。
それを利用して相手のプレイスタイルにアジャストすることで、ゲームを有利に進めることができます。
キャッシュゲームではディープスタックでほとんどの場合プレイすることになる為、より多くのスタッツが必要になりますが、トーナメントやSit&Goの場合はショートスタックでプレイすることが多くなることと、相手プレイヤーのスタッツが溜まりにくいことから、有効なスタッツは限られてきます。
そして特に多面プレイをする場合には、見やすくわかりやすい HUD 設定が有効です。
今回はトーナメントで有効なスタッツを厳選して紹介したいと思います。
それでは見ていきましょう。
●VPIP(参加率)
VPIPは相手がどの程度ゲームに参加しているかを示した指標です。
これはスタッツの中でも一番基本となるもので、少ないデータ数でもある程度の判断が可能です。
9人テーブルであれば、20%以上はかなりルース、10%以下はタイトなプレイヤーだと言えます。
●PFR(プリフロップレイズ率)
PFRはプリフロップでレイズする確率です。
プリフロップでリンプを使わずにしっかりとレイズで参加しているプレイヤーはVPIP-2~5くらいの数値になると思います。
●3BET(3ベット率)
文字通り3ベットの確率です。
3ベットの場合はなかなかサンプルが集まらない為、判断材料にするにはより多くのハンド数が必要となります。
さらに細かく見たい場合は、COからのレイズに対する3ベットや、BTNからのレイズに対する3ベットを表示することもできます。
この3つはポーカーをプレイする上で最も基本的なスタッツであり、最も重要なスタッツでもあります。
特にVPIPとPFRはそれほどハンド数がなくても判断の参考にすることができます。
この3つのスタッツだけでも、相手がどのようなプレイヤーなのかを把握することも可能です。
●Fold to 3bet(3ベットに降りる確率)
3ベットに対して降りる確率です。
これが70%以上の相手に対しては積極的に3ベットを仕掛けていきましょう。
このスタッツは3BETと同様にそれなりのハンド数がないと参考にはなりませんので注意しましょう。
●RFI(レイズファーストイン)
これは簡単に言えばオープンレイズのことで、EP RFIやMP RFIなどがあります。
COよりもレイトポジションの場合はStealと表示されます。
EP、MP、CO、BTN、SBなど、ポジションごとのRFIを表示させておけば、相手のレンジが絞りやすくなります。
●Steal(プリフロップのスティール率)
Stealというのは、CO(カットオフ)BTN(ボタン)SB(スモールブラインド)からのオープンレイズを指します。
この数値が高い相手の場合は、こちらの3ベットレンジを広げることが期待値+のプレイになります。
さらにSB Steal(SBからのスティール率)とBB Fold vs SB Steal(SBからのスティールに対してBBが降りる確率)を表示すると、より正確なブラインド周りの情報を把握することができます。
●Fold to steal(スティールに降りる確率)
これはStealに対して降りる確率です。
スティールをする時にはこの数値を確認して、この数値が高い場合は積極的にスティールを狙いましょう。
スティールやリスティールをする際には、この2つのスタッツを参考にしましょう。
●Flop Cbet Turn Cbet
これはフロップ及びターンでコンティニュエーションベットをする確率です。
これにはそれなりのサンプルが必要になります。
この数値が高ければフロートやフロップレイズが有効な戦略になります。
フロートをする場合は、ターンのCB率も参考にしましょう。
ターンのCB率も高い場合はフロートがしにくくなってしまいます。
●Flop Fold to CB Turn Fold to CB
これはフロップ及びターンのコンティニュエーションベットに対して降りる確率です。
降りすぎる相手に対しては多くCBを打つべきですし、降りない相手に対してはCBを控えるようにします。
CBに関するスタッツは、それなりにハンド数がないとあまり参考になりません。
ですので表示させるのはフロップCBに関するスタッツだけでも問題ないと思います。
●Flop Donk Bet
これはフロップでドンクベット(オリジナルレイザーに対して先にベットすること)をする確率です。
これはサンプルが少なくても以外と役に立ちます。
これが高い場合は、様々なペアやドローでベットをしている可能性があり、こちらはレイズもできますし、フロートすることもできます。
トーナメントやSit&Goをプレイするなら、これぐらいのスタッツがあればまず問題なくプレイできると思います。
もしより詳しいスタッツが必要な場合は、ポップアップで確認しましょう。