ポーカーというゲームは、プレイの正解を導き出すのが難しいゲームです。
それはポーカーが対人ゲームであり、相手に依存する部分が多くある為です。
相手のハンドレンジやプレイレンジ、その時の心理状態等、推定の域を出ない不確定な要素をいくつも組み合わせて正解に近付いていくゲームです。
その為のデータは、直近であればあるほど、多ければ多いほど価値があります。
そのデータを集める トラッキングソフト というものは、今現在のオンラインポーカーにとってとても重要なツールであると言えます。
その トラッキングソフト でできることは大きく分けて2つあります。
①自分のプレイ履歴を見直す
自分のプレイを見直し、プレイを改善していくというのはとても有効な勉強方法です。
トラッキングソフト を使えば、自分がどのハンドで利益が出ていないのか、ポジションごとやスタックサイズごとの損益等を知ることができます。
プレイのEV(期待値)を知ることもでき、それを参考にしてプレイを改善していくこともできます。
PTJPコーチのClutch Heroは自身のプレイ履歴を見直すことでプレイの質を向上させています。
②相手のプレイを知る
トラッキングソフト に蓄積されるデータは自分のものだけではありません。
相手のプレイデータも知ることができます。
多くのハンド数が蓄積されれば、そのデータを元に相手のプレイにアジャストすることが可能になります。
上手なプレイヤーと自分のデータを比較することで、それを参考にプレイを改善することもできます。
相手のデータは主に、プレイ中のテーブルにHUD(ヘッズアップディスプレイ)として表示させることで効果が大きくなります。
HUDに関しては後ほど説明します。
◆トラッキングソフトの種類◆
トラッキングソフト で有名なものは以下の2つです。
この2つにそれほど大きな違いはなく、日本人の場合はホールデムマネージャー2を使っているプレイヤーが多いと思います。
この2つのソフトは買い切りで、ステークスやゲームの種類によって値段が異なります。
◆HUD(ヘッズアップディスプレイ)◆
HUDとは、自分や相手のスタッツ(情報)をテーブル上に表示させる機能のことです。
これにより相手のスタッツを瞬時に知ることができます。
それを利用して相手のプレイスタイルにアジャストすることで、ゲームを有利に進めることができます。
一般的に、トーナメントやSnGよりもキャッシュゲームの方が多くの情報を必要とします。
今回は主要スタッツを簡単に紹介します。
①VPIP(参加率)
VPIPは相手がどの程度ゲームに参加しているかを示した指標です。
これはスタッツの中でも一番基本となるもので、少ないデータ数でもある程度の判断が可能です。
9人テーブルであれば、20%以上はかなりルース、10%以下はタイトなプレイヤーだと言えます。
②PFR(プリフロップレイズ率)
PFRはプリフロップでレイズする確率です。
プリフロップでリンプを使わずにしっかりとレイズで参加しているプレイヤーはVPIP-2~5くらいの数値になると思います。
③3BET(3ベット率)
文字通り3ベットの確率です。
3ベットの場合はなかなかサンプルが集まらない為、判断材料にするにはより多くのハンド数が必要となります。
④Steal(プリフロップのスティール率)
Stealというのは、CO(カットオフ)BTN(ボタン)SB(スモールブラインド)からのオープンレイズを指します。
この数値が高い相手の場合は、こちらの3ベットレンジを広げることが期待値+のプレイになります。
まだまだ紹介したいスタッツはありますが、それはまた違う機会にでも詳しく説明したいと思います。
ポーカーというゲームは情報戦です。
トラッキングソフト を使用して多くの情報を集め、それを活用してゲームを有利に進めましょう