ショウダウンバリュー をブラフに変える

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bluff今回は ショウダウンバリュー のあるハンドをブラフに変えることについて考えていきたいと思います。

ショウダウンバリュー があるハンドを持っている場合に考えなければいけないことは、自分のハンドが相手のハンドレンジに対してどの程度のショウダウンバリューがあるのかということです。
相手にベットされた場合に、勝ってそうならコール、負けてそうならフォールドというのがポーカーの基本的な考え方です。
その際には自分がコールするオッズを考え、そのオッズと ショウダウンバリュー を総合的に考えて最終的な判断をします。
ですが、コールとフォールド以外にももう1つ、レイズブラフというオプションを選ぶこともできます。
コールしてショウダウンしたら負けている可能性は高いけど、レイズしてブラフをすれば高い確率でポットを獲得できるような状況です。
それほど高い頻度でする必要はない(やりすぎると ショウダウンバリュー を無駄にしすぎてしまう)ですが、時にはそのようなプレイが効果的な場面があります。
今回はそのようなプレイを、Acesupのハンド履歴を使って紹介したいと思います。

Acesupのハンド履歴(pokerstars BOOM)

$44 バウンティビルダートーナメント
ブラインドは400/800 A120 7プレイヤーでのプレイです。

まずはUTGのプレイヤーが1,760にレイズインして、UTG+1のプレイヤーがコール。
BBのAcesupまでフォールドで回り、Acesupは :jh: :2h: でコール。
扱いやすいハンドとは言えませんが、スーテッドですしオッズがいいのでコールをします。
3wayでフロップに進みます。

フロップは :jc: :9d: :9c: でポットは6,520で有効スタックは40BBほどです。

オリジナルレイザーのUTGが2,419のCBをして、UTG+1が降りてAcesupだけがコール。
Acesupはトップペアがヒットして2ペアになりました。
UTGからのレイズイン、そして3wayでのCBなのでUTGのプレイヤーのレンジは強そうですが、UTG+1のプレイヤーが降りているのでコールすればヘッズアップになりますし、キッカーは弱いですがこの時点では降りることはできないと思います。

ターンは :10c: でポットは11,358。

KQはストレート、フラッシュドローはフラッシュに、TTやT9はフルハウスになるカードが落ちました。
Jと9の2ペアを持っているこちらにとっては嫌なカードです。
ですが、上述したストレートやフラッシュのようなハンドは、BBでプリフロップ、フロップとコールしたこちらのレンジにも当てはまるので、相手にとってもいいカードとは言えません。
特にクラブを持っていないトップヒットやオーバーぺアにとっては良くないカードです。
ターンはチェックチェックでリバーへ進みます。

リバーは :7d: でポットは11,358。

これで8を持っていればストレートになるボードになりました。
ターンの相手のチェックによって、こちらにはショウダウンバリューがあるように見えます。
まだスタックはお互いに余裕があるので、トリップス、もしくはストレート以上のハンドを相手が持っていれば、ポットを膨らませる為にターンもベットしていたはずです。
Aハイや88以下のペア、QTやKTなどのようなTヒットのハンドにはこちらのJヒットで勝っています。
リバーがチェックアラウンドならこちらが勝っている可能性はそれなりにありそうです。

ですがこちらのチェックに対して相手は3,522という小さなベットをしてきました。
ブラフというよりはバリューベットに見えるようなサイズのベットです。
もちろんこちらの3回目のチェックを見てブラフをしている可能性もありますが、それよりもターンでポットコントロールをしたオーバーペアや強いキッカーのJ、8の一枚ストレートなどでこちらのJやTのペアをメインターゲットとしてシンバリューを狙いに来ている可能性の方が高そうです。
そう考えるとこちらの2ペアは相手のバリューレンジには全て負けていてブラフキャッチにしかならず、ショウダウンバリューはあまりありません。

それではここでチェックレイズブラフを考えてみましょう。
上述したように、相手がターンの時点でトリプスやストレート以上の強いハンドを持っていた場合には、こちらのスタックを全て獲得する為にターンでベットをしていた可能性が高いです。
特にこのトーナメントはバウンティトーナメントですし、相手はこちらのスタックをカバーしている状況なので、そのような強いハンドを持っていればかなりの高い確率でターンのベットをしてくるでしょう。
ですがターンはチェックアラウンドだったので、相手がそのような強いハンドを持っているとは考えにくいです。
そしてリバーでバリューベットをしてくるようなオーバーペアや強いキッカーのJ、8の弱いストレートなどはこちらのチェックレイズに対してコールはできないと思います。
こちらのレンジにはフラッシュやフルハウスなどの強いレンジが考えられるからです。
特に今回のような大きなチェックレイズオールインをコールするには、少なくともフラッシュ以上のハンドを持っていなければ難しいでしょう。
そしてこちらがJを持っていて、相手のフルハウスをブロックしていることもポイントの1つです。

このように順を追って考えていくと、このリバーのチェックレイズオールインは期待値の高いプレイだということがわかると思います。
ですがここで1つ大切なことは、リバーのこのようなプレイにバリューレンジをミックスしてバランスをとるということです。
このプレイはバリューだけ、このプレイはブラフだけというようにならないよう気を付けて下さい :bye: