ゲーム理論?GTO? (Part 2)

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Part 1

ポーカーを含むあらゆるゲームでのナッシュ均衡の存在は考案者であるジョン・フォーブス・ナッシュによって証明されました。とはいえ、ナッシュ均衡を計算することが簡単とは限りません。もちろん、これはゲームの複雑性によります。

1990年代にコンピューターがチェスで人間に勝てるようになり、今年はチェスよりはるかに難しく、あと数十年はかかるだろうと言われていた囲碁でコンピューターが人間より強くなりました。ポーカーでは去年、ヘッズアップリミットホールデムの本質的な解がみつかりました。(この解はネットでブラウズできます。)さらに、現在研究されているヘッズアップノーリミットテキサスホールデムではClaudicoというプログラムが世界ランキングトップ10の中の4人に勝負を挑みました。人間チームが勝利を収めることができましたが、統計的に優位と言えるほどの勝額は勝ち取れませんでした。この分野でもコンピューターが人間を越えるのは近い未来の話だと言って間違いないでしょう。そして、ここまで進歩することができたのはゲーム理論のおかげです。

ゲーム全体のナッシュ均衡を計算するのは難しいものの、最近ではソフトを使って特定のシチュエーションでナッシュ均衡を計算することが簡単にできるようになりました。ピオソルバーはその代表的な例です。無料バージョンでもターンとリバーの計算が好きなだけできる、とても有力なプログラムです。英語しかサポートされていませんが、PTJPでは使い方を細かく説明するビデオが無料でついてくるので、ぜひ使ってみてください。

数年前、GTOが人気になっていく中でPokerSnowieというAIソフトが販売され始めました。開発者たちはPokerSnowieがGTOだと宣伝し、テキサスホールデムを学ぶためには最適のプログラムだと断言しました。しかし、2+2のフォーラムでPokerSnowieの戦略の計算方法の詳細を聞いてみると、GTO戦略に収束していたわけではないことが判明しました。これは開発者たちによる嘘ではなく、ただ単に誤解していたみたいです。2+2のコミュニティに指摘されてからGTOだという主張をサイトから削除しました。

この出来事からわかるように、PokerSnowieの開発者みたいな賢い人たちでもGTOを誤解することは難しくありません。実際、今でも理解していると思いながらも明らかに理解していない人はたくさんいます。正しく理解できていないと正しく適用することもできないので、基礎をしっかりと身に付けることが大事です。

次回はなぜGTOがポーカーでパワフルなコンセプトで、どのように上達に繋がるのかについて書きます。お楽しみに!