ゲーム理論・GTOの利点 (Part 2)

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Part 1

レンジに基づいた考え方が鍛えられる

初心者は「相手が何を持っているか」という質問に個々のハンドの種類で答えます。「きっとバリューベットだからフォールドしよう。」「自分はドローしかないけど、相手はブラフを持ってそうだからレイズしよう。」

しかし上手くなってくると相手がその状況で持っているレンジとそのレンジ全体に対してどの行動が最適なのかを考えるようになります。同じように、自分が今持っているハンドだけではなく、置かれた状況での自分のレンジも考慮しなくてはいけません。単純な例を挙げるとすれば、レンジにエアーしかなければブラフできませんが、バリューもあればある程度のブラフはできます。また、OOPのレンジにナッツと0%エクイティのエアーしかなければナッツは100%ベットしますが、ブラフキャッチャーを加えたらナッツはブラフキャッチャーを守るためにある程度はチェックするようになります。

このように、レンジの中のハンドがお互いにどう影響し合うかで最適な戦略は大きく左右されます。これらは単純な例ですが、レンジがもっと複雑で現実的なシチュエーションではソルバーの助けがなくては正しい答えを導き出すことは非常に難しいです。普通はレンジに多種類のハンドが含まれているため、全ての相互関係を一斉に見極めるのは困難ですが、GTOのソルバーはこれを容易く行うことができます。ソルバーで計算したソリューションから一般原則を引き出せば、実戦で適用することができます。

ナッシュ均衡を知ってこそ搾取するための戦略の調節も知れる

ナッシュ均衡と搾取は単純で密接な関係があります。ナッシュ均衡を搾取することは不可能ですが、逆にナッシュ均衡から逸れると搾取が可能になります。GTOと搾取は相乗的な関係にあるのです。片方だけではもう片方が成り立ちません。

ナッシュ均衡は最低限の期待値を保証するので基準線となる戦略です。そもそもナッシュ均衡を知らないと、相手が最適でないプレイをしている時にその間違いがかなり明白でないかぎりそれに気づくことができません。ナッシュ均衡を知ることで相手がそれから逸れてプレイしていることが分かりやすくなります。そしてそれが分かったら搾取もできます。

現代ではソルバーのノードロッキングという機能を使い、相手のリークを戦略の中で固定した状態でのナッシュ均衡を計算することができます。これを使って特定のリークを狙った搾取方法も計算できます。

もっとも科学的で合理的なアプローチ

あるシチュエーションであれこれ理由をあげて「これが最適プレイ!」と断言することは少なくありません。特に昔は計算に限界があったので、ポーカーの戦略に関しては不正確なロジックで推論されてきました。もちろん、それは悪いわけではなく、間違っているとも限りません。人間は推論だけでポーカーの戦略をかなりなところまで進化させてきました。しかし最終的には正しいという保証がありません。たとえ「良い答え」が出せたとしても「一番良い答え」なのかはまた別の問題です。

どんなシチュエーションでも、複数の可能なアクション全てに何らかのメリットはあります。例えば、プリフロップでプレミアムハンドはレイズで参加した方が良いとよく言われます。レイズの方がいい理由としては、「ポットを大きくできること」や「一番怖いドロー系のハンドをフロップの前からフォールドさせることができる」などが挙げられます。しかしリンプで参加する利点もあります。他のプレイヤーがリレイズはあまりしないがリンプをよくレイズする場合や相手が特にポストフロップが下手な場合。また、ヘッズアップでエフェクティブスタックが10BB以下になるとミニマムレイズは基本的に間違いなので、弱い相手に対して搾取的にプレイしていない限りプレミアムハンドは間違いなくリンプ(5BB以下はオールイン)が最適になります。

どの選択肢がベストかを決めるときにどのプラス要素が一番大きく、どのマイナス要素が一番小さいのかを見極めなければいけません。人間には同時に、正確に、そして即座にそれを計算することは不可能です。ゲーム理論は厳密に研究されてきた数学の分野で、GTOは全ての可能なアクションのメリットとデメリットを考慮するだけでなく、それぞれの利益を正確に計算してくれます。新発見でもない限り三人以上のシチュエーションは基本的にGTO分析が有効ではないので基盤となる戦略がありませんが、ヘッズアップになった場合は「答え」が出せるのです。

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ポーカーでGTOはまだ比較的新しい分野なのでGTOに対する勘違いも多様です。次回はナッシュ均衡に対する誤解を解きたいと思いますのでお楽しみに!

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