オーバーベット の考え方

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今回は オーバーベット の考え方やポイントについてまとめて行きたいと思います。

オーバーベット とは、ポットにあるチップを超えるサイズのベットのことです。
ポーカーでは多くの場合、ポットサイズ以下のベットが使われます。
ですがポットの30%のような小さなベットや、オーバーサイズのベットが使われる機会も増えています。
オーバーベットはリスクや分散が大きくなるプレイではありますが、うまく使いこなせば強い武器にもなります。
それではオーバーベットについて詳しく見ていきましょう。

◆ベットの期待値◆

オーバーベットのブラフをする場合、リターンは変化せずにリスクだけ増えると感じるかも知れません。
ですがベットサイズが変わることで相手のコール頻度も変化するので、ベットの期待値で考える必要があります。
それでは一つの例を見てみましょう。

アクションはリバーまで進み、ポットは$100。
相手のチェックに対してこちらがブラフのベットをするとします。

①$50(ハーフベット)をした場合に期待される相手のフォールド率は40%とします。
②$130(オーバーベット)をした場合に期待される相手のフォールド率は80%とします。

①のベットの期待値は
(0.4 * $100) – (0.6 * $50)
$40 – $30 =$10

②のベットの期待値は
(0.8 * $100) – (0.2 * $130)
$80 – $26 =$54

このようにベット額と相手のフォールド率を仮定した場合、両方とも期待値プラスのベットではありますが、それぞれのベットの期待値には大きな差があることがわかります。

◆コーリングステーション◆

コーリングステーションと呼ばれるようなプレイヤーは、こちらのベットサイズやポットオッズ等よりも、ドローを引きたい、ショウダウンしたいという気持ちの方が強く、そのようなプレイヤーに対してバリューオーバーベットは有効になります。

基本的にオーバーベットはハンドレンジがポラライズされる為、通常はナッツに近いハンドorブラフといったハンドで使いますが、このような相手に対しては強めのバリューハンドもオーバーベットに混ぜることによって、相手からより多くのバリューを得ることが可能です。

◆ブラフレンジの変化◆

オーバーベットを使うことにより相手のコールオッズが悪くなり、その結果相手のコール頻度が下がります。
相手のコール頻度が下がればこちらのブラフ頻度を上げることができ、それによりこちらのブラフレンジを増やすことができるようになります。

◆オーバーベットが有効な状況◆

オーバーベットが有効な状況は、相手のレンジにショウダウンレンジが多く含まれていて、ナッツに近いハンドのトラップやエアーが少ない場合です。
このような場合に、チェックコールでショウダウンを狙うような相手のレンジに対してオーバーベットで大きなプレッシャーを掛けていくことが有効になります。

逆に相手のレンジにエアーやトラップハンドが多い場合は、小さなベットが有効になります。
エアーは小さなベットでも降ろすことができますし、トラップだった場合には損失を小さく抑えることができます。

それではオーバーベットのブラフとバリュー、それぞれの例を見てみましょう。

◇ブラフの例 HJがオープンレイズして、SBとBB( :8d: :7d: )がコールで3way
●フロップは :da: :kc: :10s: でチェックアラウンド
オリジナルレイザーのHJがチェックをしたことで、HJのレンジは弱いA以下のハンドの可能性が高そうです。

●ターンは :5d: でSBとBBがチェック、HJのベットに対してSBが降りてBBがチェックレイズしてHJがコール
HJのベットレンジは前述したようなマージナルなレンジが多く考えられます。
もちろんフロップでスロープレイしたQJやフロップセット、ターンのセットやA5sのようなハンドも考えられますが、コンビネーションとしては少なく、それ以外のマージナルなレンジも多く考えられます。

そのようなレンジに対して、BBはフラッシュドローでセミブラフをしています。
BBのバリューチェックレイズレンジとしてはQJ,55,AT,A5,K5,KTのようなものがあり、セミブラフのレンジとバランスを取っています。

●リバーは :6c: でBBがオーバーベット
リバーの6はラグでBBのフラッシュドローは完成しませんでしたが、BBにはレンジアドバンテージがあり、HJのレンジはキャップしている為、ここはHJのキャップレンジに対して大きなプレッシャーを掛けるオーバーベットブラフに適した状況と言えます。

◇バリューの例 UTGがオープンレイズして、BTN( :4s: :4c: )とBBがコールして3way
●フロップは :9d: :8h: :4d: でBBとUTGがチェック、BTNのベットにBBのみがコールしてHU

●ターンは :8c: でBBのチェックに対してBTNがベットしてBBがコール

●リバーは :2s: でBBのチェックに対してBTNがオーバーベット
BTNの44はフロップでセット、ターンでフルハウスになりました。
ここで重要なことは、BTNの44が、BTNがBBに対してバリューを狙いに行くレンジをブロックしていないということです。
BBのレンジにはドローもそうですが、9xや8xのレンジが多く含まれています。
そのようなレンジに対し、BTNはオーバーベットによってMAXバリューを狙いに行くことがより利益的なプレイになります。